大学4年生のD.Mさん。
就職前の春休みを利用して、6日間の福祉留学へ。
京都府京田辺市の連携施設「京都府社会福祉事業団 洛南寮」での経験をお聞きしました。

福祉留学参加のきっかけや動機を教えてください!

一人ひとりが社会の中で役割・居場所を持ち、誰もが安心して生きられる社会、何度でもやり直せる社会を実現したいと考えています。

実際に福祉の現場に入り、職員の方々や利用者さんにお話を伺ったり活動する中で、「地域」とは何か、「共生」とは何かや、自身が抱いている様々な問いについて掘り下げて考えてみたいと思い、参加を決めました。

福祉留学先である京田辺市の印象はいかがでしたか?

洛南寮の周りには閑静な住宅街が広がっており、少し驚きました。
というのも、洛南寮は養護老人ホームと救護施設が併設されていますが、一般に救護施設というと、「なんだかよくわからない怖い人たちがいる施設」という誤った思い込みによって敬遠されがちだからです。
なぜこのように住宅街の中に位置するか気になった方は実際に足を運んで職員の方に聞いてもらえたらと思いますが、地域に開かれた施設であり、利用者さんも地域の中で買い物をしたり散歩したりと外と内の境界線が薄いのが印象的でした。

また、京都府社会福祉事業団は洛南寮だけでなく、他にも児童福祉施設や病院、障害児・者施設など多くの施設を運営しており、今回は清水寺の近くにある児童福祉施設の見学もできたことで、京都観光も満喫できました。

留学先施設である洛南寮で、印象に残った体験やエピソードがあれば教えてください!

たくさんありすぎてここに書ききれない!というのが本音です。

元行政職員含めた現場職員の方々や利用者さんからお話を伺う中で、「チームで支援する重要性」と「共生社会とはどういうことか」「制度が現場に与えるインパクト」について学んだのが特に印象深いです。

福祉留学に行く前と後で変化したことはありますか?

正直なところ、“救護施設”とは聞き馴染みのない言葉だと感じる方も多いかもしれません。

救護施設はいわゆる「最後のセーフティーネット」の役割を果たし、生活保護を受けながらも精神障害など各々が抱える様々な事情によって地域の中で暮らすことが難しい方が入所している施設です。

私自身、これまで救護施設で暮らす方々にお会いしたことはなく、どんな方がどのような経緯で入所していらっしゃるのか具体的に想像がついていませんでした。

いざお会いしてお話してみると、料理本を読むのが好きな方、ライトノベルを読むのが好きな方、ボウリングが好きな方、YouTubeを見るのが好きな方、歴史が好きな方など、施設で暮らしていない私達と何ら変わらず、ちょっとしたきっかけで誰でも支援を必要とする立場になりえ、決して特別な人・自分には関係のないことではないと感じました。

とはいえ、その方の歩んできたライフストーリーを伺うと生きづらさを抱えながらそれでも生きようともがいてきた濃いエピソードが飛び出してくるのも事実です。

「人間は弱い、だけど強い。」

救護施設に流れる穏やかな時間の中で様々な人生に触れることで、生きるとは何か深く考えさせられる経験になりました。

次に福祉留学へ行く人たちへメッセージをお願いします。

職員の皆さんはあたたかく迎え入れてくださる本当に素敵な方々なので、安心して飛び込んでみてください!

また、福祉に興味関心がある人はもちろん、そうでなくても自分の視野を広げたい、何か新しいことにチャレンジしてみたいと思っている人にもぜひ訪れてほしい…!と思う場所なので、このページを見つけたそこのラッキーなあなた!次はあなたの番です!(笑)