山梨県立大学3年の神山幸奈さん。
秋田県能代市に一週間ほど滞在し、「ショートステイ輪」で6日間の福祉留学を経験。

福祉留学と実習の違いは何ですか?

福祉留学は実習とは異なり、自主的に行くというところから決めるものなので、より意欲的に様々なことを吸収しようとして、多くのことに気づけたと思います。
カリキュラムや毎日の目標を設定しなければならないなどの負担がなく、福祉留学全体を通してその生活そのものが学びになるため、のびのびと生活することができました。

また「良いところも悪いところも見て、感じてほしい」と言ってくださったこともあり、視野を広くして現場を見ることができたのではないかと思います。

秋田県や能代市の印象はいかがでしたか?

初めて行った秋田県で、初めて聞いたおばあちゃんたちの言葉はまるで外国語のようでした。
ちょうどインドネシアの研修生も施設にいて、秋田弁を聞きなれていない私にはまるで3か国語が飛び交っているような気がしたほどです。
しかし、私が聞き取れていないことを職員さんも利用者さんもわかってくださり、職員さんは通訳をしてくださり、利用者さんは身振り手振りで表そうとしてくださいました。

そのような皆さんの優しさ、心遣いに助けられながら楽しい福祉留学生活を過ごすことができました。
スーパーではポイントカードを持っていれば安くできるから、と店員さんが私に教えてくださり、持っていないことを伝えるととても共感して残念そうにしてくれました。

ほかのお店でも、私が化粧品を試供して手が汚れていたことに気づいて、レジの奥からティッシュをとってきてくれたり、些細なことではありますが温かみを感じることが多かったように思います。

福祉留学に行く前と後で変化したことはありますか?

福祉留学に行く前は、現在の福祉、介護の現場に対して思うことや、どのような福祉を自分はしていきたいかということを考えてはいましたが、発信することはおろか、人に話すこともあまりありませんでした。私が語っても冷めてしまう、学生の話なんて…と思っていました。
しかし、輪の皆さんは一学生でしかない私の思いを受け止め、真剣に話を聞き、それに対する皆さんの思いも聞かせてくださいました。それが私はとてもうれしかったです。

各々どうしたら現場がよくなるか、この業界がどう進んでいくべきか、何が大切なのかを考え、動き、発信していました。そんな皆さんに囲まれて、楽しくて仕方がなかったです。

私の考えに対してどのようなフィードバックをしてくれるのだろうか、とワクワクしてアンテナを最大限に張って毎日出勤しました。もっと熱くなっていいんだ!と思えるようになった1週間でした。

次に福祉留学へ行くかもしれない人たちへメッセージをお願いします。

福祉留学の担当の方もマッチングする施設の方も一人一人の境遇や、思いに寄り添ってくれます。
どこに行きたいとかわからない、迷っている、学生だしお金も心配…という人もまずは申し込んで相談してみてください。
学生のうちしか体験できない、そして学生の中でも数少ない貴重な経験になります。
勇気を出して応募してよかったと心から思います。

大学や実習では学べない地域の雰囲気、どんな人が住んでいてどんな生活をしているか、その土地の名産品を垣間見ることができます。そして、その土地に合ったケアとはどんなものか、何を大切にしようとしているのか、様々なことが見えてきます。ぜひ一歩、違う土地へ飛んでみませんか?