慶應義塾大学看護医療学部1年のN.M.さん。1週間の福祉留学へ。

福井県福井市の連携施設「一般社団法人Orange Kid‘s Care Lab(以下、ケアラボ)」での経験をお聞きしました。

福祉留学参加のきっかけや動機を教えてください!

以前、偶然参加したシンポジウムでケアラボの代表である紅谷先生が講演されており、その中で福祉留学について知りました。

私は、ケアラボが医療的ケアが必要な子どもたちの『遊び』を大切にしている姿勢に興味を持ちました。それを支えるマインドや具体的にどのようなことを行っているのかを現地でより深く学びたいと思い、参加を決めました。

福祉留学先である福井市の印象はいかがでしたか?

とにかく食べ物がおいしかったです。

名物のソースカツ丼はもちろんのこと、併設されている『まあるカフェ』のパンケーキはふわふわとした食感で、今まで食べたパンケーキの中で一番おいしかったです。

休日に出かけた際に電車を使ったのですが、車窓から見える自然の風景がとても美しかったです。晴れていたため遠くの山まで見ることができ、山頂付近にかかった雪が綺麗でした。

観光先である福井県立恐竜博物館ではほぼ開館から閉館まで過ごし、骨格標本や研究員の講演、建物などを満喫しました。

留学先施設であるケアラボで、印象に残った体験やエピソードがあれば教えてください!

職員さんがおっしゃっていた「声かけって一方的だよね」という言葉が印象に残っています。看護学生として、大学の講義で声かけや挨拶の重要性について学んでいましたが、それらは言葉のキャッチボールになっているのか、相手はどう思っているのかということに関しては実は考えていないのではないか、と自分自身を振り返るきっかけになりました。

実際に、職員の皆さんは利用者さんに対して「どれが欲しいの?」や「~だよね?」と相手の意見を聞く疑問形で会話をしており、コミュニケーションを一方的なものにしないようにしている印象を受けました。

福祉留学に行く前と後で変化したことはありますか?

今まで人とコミュニケーションを取る際に、目を合わせることを大事にしてきました。

しかし、ケアラボで声を出せない子とコミュニケーションを取る際に、その子が見つめているものを同じように見つめた結果、その子が伝えようとしていることが分かったことがありました。この経験をきっかけに、コミュニケーションを取る際には目を合わせてしゃべることだけではなく、相手と同じものを見つめるようにすることも重要であると気付きました。今後も意識しようと思います。

次に福祉留学へ行く人たちへメッセージをお願いします。

行くことに不安を感じているかも知れませんが、実際に行って経験しなければ手に入らなかった発見や価値観、人との繋がりがありました。行って良かったと心から感じています。

また、福祉留学という名前ですが、得られるものは福祉の知識や実践への理解だけでなく、思考法や人としての礼儀、慣れない土地での暮らし方など様々なものがあると参加してみて感じました。

福祉の枠にとらわれず、興味のある人には是非参加して欲しいです。