「主語は本人」その言葉の真意を学ぶために

以前、福井県の医療ケア児支援施設「オレンジキッズケアラボ」さんに見学へ行った際、スタッフの方がおっしゃっていた「主語は本人」という言葉が強く心に残っていました。

私は将来、小児分野の言語聴覚士として子どもたちのコミュニケーションや食事(摂食嚥下)を支える仕事を目指しています。

これまで障害のない子どもたちと関わる機会はありましたが、重度の障害がある子どもたちと深く接した経験はほとんどありませんでした。

「子どもたちの思いをどのように汲み取り、どのように向き合っているのかを現場で学びたい」

そう思い、今回の福祉留学に応募しました。

地元・福井の温かさと、かけがえのない暮らしの体験

大学進学で県外に出てから、久しぶりに帰ってきた地元・福井。

ゆったりとした空気感はもちろん、スタッフの皆さんが「またいつでもおいで」と温かく迎えてくださり、質問にも一つひとつ丁寧に答えていただけたことがとても嬉しかったです。

また、留学期間中は2泊3日でシェアハウスにも滞在させていただきました。
一緒に食事を作って食べたり、夜にお話ししたりと、普段とは違う生活環境の中で過ごせたことも貴重な思い出になりました。

「本人がどうしたいか」を一番に考える支援の姿勢

滞在中で特に印象的だったのは、見学時にも耳にした「主語は本人」という考え方が、現場で徹底されている姿でした。

例えば食事の場面。
「単に栄養を摂るための食事」として扱うのではなく、

「本人は食べることが好きなのか」
「口から食べたいという思いがあるのか」

といった本人の意思や好みを何よりも大切にされていました。
普段とは違うお菓子を細かく砕いて味わってみたり、さまざまな味を試して「好きなもの」を一緒に探したりする工夫にとても驚きました。

さらに、本人の家族構成や生活環境を踏まえた上で、将来の目標や暮らしを見据えて接する姿勢を学び、私も将来、家族や自分の想いだけでなく『まずは本人の思いを第一に考えられる言語聴覚士』になりたいと強く思いました。

子どもたちと過ごす、笑顔と癒やしの毎日

子どもたちと関わる日常体験も、毎日が宝物のような時間でした。

お庭でブランコに乗ったり、手遊びをしたり、ボールプールに入ったり、抱っこをしたり…。
子どもたちが見せてくれる笑顔や素直な反応に、私自身がたくさんの元気をもらいました。

特別なことをしなくても、一緒に笑い、同じ時間を共有すること自体の尊さを実感し、たくさんの子どもたちと出会えたことに大きな幸せを感じています。

留学を通して気づいた「多職種連携」と「0-1体験」の大切さ

今回の9日間で、自分自身の意識にも2つの大きな変化がありました。

1.信頼関係を築くための「自分からのコミュニケーション」

現場では職種に関係なく対等な関係で、明るく声を掛け合いながら専門性を活かして協力し合っていました。
人見知りで自分から話しかけるのが苦手だった私ですが、多職種と連携していくためには、自分から積極的に関わり信頼関係を築くことが不可欠だと実感しました。

2. 「やってみること(0-1体験)」の大切さ

オレンジキッズケアラボさんでは、初めての体験に挑む「0-1体験」を大切にされています。
今回の福祉留学への挑戦自体が、私にとっての「0-1体験」の連続でした。一歩踏み出したからこそ、これまで知らなかった考え方に触れ、視野を広げることができました。

これから福祉留学へ行く皆さんへ

9日間、毎日が学びの連続で本当に充実した時間を過ごすことができました。

参加前は不安もありましたが、今では「本当に参加してよかった!」という気持ちでいっぱいです。
後悔したことは一度もありません!!

もし迷っているなら、ぜひ勇気を出して一歩踏み出してみてください。

あなたも福祉留学で「0-1体験」してみませんか?

留学コーディネーターからの一言

将来、小児分野の言語聴覚士を目指す山崎さん。
「主語は本人」というテーマに真摯に向き合い、専門的な視点と温かいまなざしの両方を持って9日間の留学を駆け抜けてくれました。

子どもたちの食やコミュニケーションへのアプローチだけでなく、シェハウスでの暮らしやスタッフ間での対等な連携など、現場のあらゆる場面から柔軟に学びを吸収されていた姿が印象的です。

留学で得た「0-1体験」の勇気と「本人の思いを第一に考える」という姿勢は、将来、言語聴覚士として子どもたちやご家族に寄り添う際、きっと揺るぎない軸になるはずです。
山崎さんのこれからの挑戦と活躍を心から応援しています!