介護の仕事、特に訪問介護に興味があると話す高橋さん。一週間の福祉留学へ。
長野県 諏訪郡富士見町の連携施設「社会福祉法人 富士見町社会福祉協議会(以下、富士見町社協)」での経験をお聞きしました。
福祉留学参加のきっかけや動機を教えてください!
福祉留学に応募したきっかけは、家族を介護する描写がある映画を見たことです。
介護をする方は、介護によって時間を奪われ、やりたいことができず悩んでいる一方、介護を受ける方も家族に迷惑をかけたくないからと本音を言えずに悩んでいるという、どちらも悩んでいる状況を知りました。
自分も将来必ず「介護」について考えなければならない時が来るのにも関わらず、介護に関わるサービスや施設、福祉に関わる人々について何も知識が無いことに気づき、学ぶために福祉留学に応募しました。
福祉留学先である長野県の印象はいかがでしたか?
とにかく自然豊かで落ち着いた雰囲気のある町でした。
標高が高いので私が普段住んでいる場所よりも寒く驚きましたが、空気がきれいでどこにいても山が見えるので、その景色を見るために何時間でも歩いていられるくらい過ごしやすかったです。
また印象的だったのは、車に乗っているときや歩いているときに、知らない人でも目が合ったら会釈する町民の方の姿です。
自分も町民の1人になったかのように、見慣れない自分にも笑顔で会釈してくれる皆さんのあたたかさに感動しました。
留学先施設である富士見町社協で、印象に残った体験やエピソードがあれば教えてください!
1週間の中で、地域包括支援センターや訪問介護・通所介護・小規模多機能型居宅介護・定期巡回型随時対応型介護事業所と、複数の施設にお伺いし、ヘルパーさんと利用者さんのお宅に訪問して食事介助したり、利用者さんと一緒に柿を干したり、あらゆる体験をさせていただきました。
特に印象的だったのは、認知症の方とお話したことです。2日連続で同じ方を訪問したのですが、2回目にお会いしたときは私のことを完全に忘れていて、こんなにもすぐに忘れてしまうのかと驚きました。
もし自分の周りの人が認知症になったらと初めて考えた出来事でした。
福祉留学に行く前と後で変化したことはありますか?
介護に対するイメージが大きく変わりました。
留学前は一度介護サービスの支援が必要になると、その方の身の回りのことを全てヘルパーさんが代行するイメージがありました。
しかし、富士見町で様々な事業を拝見し、利用者さん一人一人のしたい暮らしやなりたい姿に合わせた「できることを奪わない、自立支援を前提としたサポート」を行う介護施設やサービスがあるのだと驚きました。
実際に利用者さんの中で、元気になって自宅に帰宅できたという方もいらっしゃるようで、その方のように今まで通りの暮らしができる方が増えると良いなと思いました。
次に福祉留学へ行く人たちへメッセージをお願いします。
私は経済学部の学生なので、福祉に関する知識が全くありませんでした。
そんな私にも、留学先の皆さんは優しく丁寧に介護に関わるサービスや課題を説明してくださって、食事介助や車椅子を押すなど実践的な体験もさせてくださいました。
少しでも福祉に関して疑問を感じたり、純粋に興味があったり、何かしらの関心があるなら福祉留学に行く価値があると思います!
福祉専門の学生とはまた違った視点から福祉を見つめると、学生にも留学先の方にも新たな発見や気づきがあるかもしれません。
そのほか、福祉留学で感じたこと、伝えたいこと
今回、富士見町社協を留学先に選ぶにあたって一つの理由となったのは、福祉留学の留学先紹介動画でした。
実際に動画に出てくる社協の皆さんにお会いし、強い信念と福祉の仕事に誇りを持つ方たちとお話できたことに心から福祉留学をして良かったなと思いました。
また、動画内にも出てくる北原宏太郎さんという利用者の方の家にもお伺いしたのですが、動画と変わらず私にもニコニコと絵画を見せてくださり、非常に嬉しかったです。
生き生きとした利用者さんの生活を拝見でき、私も老後はこんな生活をしたいと思うロールモデルができました。
今回の福祉留学で多くの利用者さんに教えていただいた「とにかく食べる」「1人で閉じこもらない」「趣味を持つ」という長生きの秘訣を胸に、自分や周りの人の老後や福祉のために私ができることについて考え続けたいと思います。
富士見町社協の皆さま、利用者さん、関わってくださった全ての皆さまに感謝申し上げます。ありがとうございました!