山口大学の上垰菜都美さん。
卒業研究を目前に控えるなか、いざ1週間の福祉留学へ。
宮城県仙台市の連携施設「ライフの学校」での経験をお聞きしました。
おかえりなさい!仙台への福祉留学、いかがでしたか?
自分が想像していたよりも多くのことを学べたし、たくさん考える種をいただいたように思っています。今回福祉留学に参加すると決めたとき、2つの目標がありました。ひとつは「自分のなかの福祉観を養うこと」、もうひとつは「知らない地域を知って、その地域を楽しむ」というものです。
ライフの学校で深まった「自分の福祉観」とは?
施設の利用者さんを「パートナー」と呼んでいて、ケアする人、される人という関係が一方向的な関係ではなく、互いにケアし、ケアされることが実感できる呼び方をされていました。現場で働く職員さんへインタビューをする時間もいただけたので、現場の様子をじっくり聞くことができたこともとてもよかったです。もともと「ケアする人のケア」に関心があり、改めて働く人たちの声を大事にしたいと思いました。それがパートナーさんたちのケアにも繋がっていくんだろうなと感じることができました。生活と仕事を分けて考えるのではなく、その両方を大切にできる施設をつくりたいなぁと思いました。
もうひとつは、これまでは「生きる」と「死ぬ」はバラバラというか、突然死ぬイメージがありましたが、生死の境はもっとぼんやりとしていて、そのグラデーションがあるほうがいい死に方なのかもしれない、終末期ケアってそういうことを目指しているのかもしれないとも思いました。あの空間で幸せだったんだろうな、あんな死に方がいいなって。自分の死に方について考えられたのはとてもよかったし、そういう施設の取り組みがあるから、住み慣れた土地で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるような地域づくりに繋がっているのだなぁと思いました。
これまで「知らない地域」だった仙台、楽しめた?
めちゃくちゃ楽しかった!とくに食と歌!
歌は、パートナーさんと宮城県の祝い唄である「さんさ時雨」を一緒に歌って踊ったことが印象に残っています。パートナーさんたちが仙台という土地で自分らしく生きてこられたということを力強い歌声から想像できました。
食に関しては牛タンももちろんですし、日本酒×イカ腑の沖漬けは最高、また絶対食べに行きます!施設の周りにあるお店をたくさん紹介していただいて、地域の食事処を楽しめたこともよかったです。ほかのお客さんたちの日常会話、イントネーションがとてもよかったなぁ。
そこで暮らしてる人の生活が見たかった。それが見えたし、たまになに言ってるかわかんないのもよかった(笑)。飛び込んだ場所にリアルがあって、生活があって、そういう場所だったなぁと思います。
福祉留学を考えている人にメッセージをどうぞ!
普段よりもいろんなことを意識してやってみるといいと思う。そしたら超楽しくなると思う。思ってもないことがたくさん起きた1週間でした。わたしは福祉が専門ではないですが、お話していくなかで「ケアについて考え直そう」とか「もう一度ちゃんと考えて頑張ろうと思えた」と言ってもらえたのがとても嬉しかったです。何も知らないしいいのかな、と思う気持ちもわかるけど、だからこそ、いっぱい聞く。それを受け止めてくれる場所です!
担当者ゆずからひとこと
卒業研究を間近に控えて、自分なりの関心を深める旅路の只中にいる上垰さん。福祉留学を通して、とてもモチベーションが上がったとキラキラ笑顔で話してくれました。施設での経験だけでなく、地域での暮らしを存分にエンジョイした様子が伝わってきました。前回の先輩の声にも登場した留学生の岩井拓馬くんと1日だけですが留学期間が重なったこともあり、福祉留学生同志の繋がりをもっと作っていきたいなぁとわたしもモチベーションアップです!
これからも上垰さんの旅路が豊かでありますように!(=卒論がんばれよー!やり切れよー!)