将来、薬剤師として働きながら精神関連の臨床研究を行い、心理療法と薬物療法の連携について考えたいと話す薬学部在学中の松橋さん。5日間の福祉留学へ。
長崎県佐世保市の連携施設「社会福祉法人 宮共生会(以下、宮共生会)」での経験をお聞きしました。
福祉留学参加のきっかけや動機を教えてください!
もともと発達障害、特に発達障害の二次障害に興味があり、ネットやニュースで見る情報や意見が正しいのか、自分の目で確かめたいと考えていました。
その機会を得る方法がわからず足踏みしていましたが、あるボランティアで出会った学生に福祉留学について教えてもらい、現場へ直接足を運び、福祉の実際を見るのはどうかとアドバイスをもらったことで、福祉留学に興味が湧きました。
また、学年があがると長期休みが短くなり、他にやるべきことも増えるため、時間があるこのタイミングで福祉留学に行くことに決めました。
福祉留学先である長崎県の印象はいかがでしたか?
福祉留学先の長崎県には初めて来たので、宮共生会のある佐世保駅だけでなく長崎駅まで足を伸ばすことにしました。
半日の中で大浦天主堂や新地中華街、めがね橋まで行くことができ、福祉留学の期間を使って観光が楽しめたことも嬉しかったです。
佐世保駅も海が近いこともあり絶景で、地元の居酒屋でその日に獲れたシマアジをいただきました。
佐世保駅周辺は飲食店が充実しており、活動終わりにご当地グルメを食べることができます。

留学先施設である宮共生会で、印象に残った体験やエピソードがあれば教えてください!
5日間の留学期間中には、主に放課後等デイサービスや児童発達支援の現場を体験させていただきました。
記憶に残っているのは、生活介護事業所「チームみらいと」の医療的ケア児の男の子です。「みらいと」に行った2日間、一緒に遊ぶ時間を持ちました。
施設側と保護者の支援に対する考え方の違いから、支援を進めることが難しい場面にも遭遇しました。
施設のスタッフさんが送迎の際に家族の様子をよく観察していたことが印象的でした。
施設で子どもと関わるだけではなく、保護者の状況や意向も汲み取ることが重要だと学びました。
長年障害支援に携わっているスタッフの皆さんの観察力の高さには、心から敬意を抱きました。
福祉留学に行く前と後で変化したことはありますか?
福祉施設のスタッフさんの薬に対する考え方を知ることができた点が、大きな学びでした。
スタッフの方々から、「必要な服薬はあるものの、それ以外の頓用薬などの強制は身体拘束の一種になり得る」という視点を教えていただきました。
また、できるだけ利用者一人ひとりの個性を伸ばし、施設内で様々な経験をしながらいろんなことを学んでほしいという考え方を聞き、とても印象に残りました。
施設における、薬のイメージがネガティブなものばかりでないことも新たな発見でした。

次に福祉留学へ行く人たちへメッセージをお願いします。
少しでも福祉の世界に興味があるのなら是非行ってみてほしいです。
特に、普段あまり福祉と関わりのない他学部の方にも参加してほしいプログラムでした。
学部や年齢に関係なく応募できます。
未経験なことが多く心配していましたが、自分の興味や知識のレベルに合わせて施設との面談や日程を決めることができ、活動当日には施設の方々も事前に私が福祉留学に応募した時のエントリー内容を読んでくださっていたようで、要望に答えていただけました。
アクセスや宿泊先、費用についてもアドバイスがもらえることもありがたかったです。

そのほか、福祉留学で感じたこと、伝えたいこと
とても充実した経験をさせていただきました。
施設の方は福祉留学生を受け入れることは留学生自身に福祉について知ってほしいという思いでも受け入れているが、施設の利用者さんの限られたコミュニティの中で新しい登場人物として刺激になってほしい思いがあると教えていただきました。
私としても利用者さんとの会話は楽しかったです。
福祉留学で学んだことはこれからの私の行動に繋がっていくと思います。